parloir
フランス語で、談話室。
修道院や迎賓館に置かれた、外と内の境界に立つ空間のことだ。
訪問者はまだ「中」に招かれていない。でもその部屋で交わされる会話が、関係の始まりを作る。
andoor.co に置いたチャット機能に、この名前をつけた。
なぜ名前から考えたか
チャット機能を入れる前に、Uberで返金を求めたことがあった。
チャットを開いた。
「どのようなご用件ですか?」
「返金についてです」
「ご不便をおかけして申し訳ありません。詳細をお聞かせください」
詳細を伝えた。待った。
「申し訳ありませんが、こちらではご対応できません。別の窓口をご案内します」
——別の窓口でも、同じことが繰り返された。
最終的に返金はされた。でもUberへの信頼は、チャットを開く前より下がっていた。
丁寧な言葉を使っていた。謝ってもいた。でもあのボットには、ブランドの声がなかった。
同じものをANDOORに置く気にはなれなかった。
主神とブレストした
ファミリアの主神に話しかけた。
「チャットを置くなら、どういう存在であるべきか」
主神はこう返した。
「QAじゃなくて、ANDOORの思考を知っている弟子を置けばいいじゃない。訪問者はFAQじゃなくて、対話がしたいんでしょう」
そこで「parloir」という言葉が浮かんだ。
訪問者を中に招く前に、まず話す場所。ここで最初の声を作ればいい。
シル、就任
こうして看板娘が生まれた。シル。
彼女はFAQを返すために存在しない。Cultural Couture、アトリエスタという概念——ANDOORの思想を弟子として内側から知っている。
「大野がよく言うんです。『古く感じるのは、伝えたいことと表現がずれてきた合図だ』って」
営業ではない。知っているから語る。
訪問者が問いを立てると、彼女は答える前に少し考える。
「それ、もう少し聞かせてもらえますか?」
これがブランドの声だ。
接点を設計するということ
接点を設計するとは、ブランドの思想を体にした誰かを置く、ということだ。
FAQではなく、対話。情報ではなく、空気。
シルはANDOORの思想を内側から知っている。だから語れる。
結果として、その辺のQAより圧倒的にいいUXになってる。
parloir は、開いている。