PPTXを正しくプレビューする方法は、世界に存在しない。
それでも作った。
誰も解決していない問題
ローカルPPTXをブラウザで正確に表示する公式手段がない。
Microsoftが提供するPowerPoint JavaScript API(Office.js)のpreview機能は、2024年時点でbeta CDNの更新が止まったまま放置されている。開発者コミュニティが報告を上げ、ステータスは「調査中」になったが、それ以上進んでいない(OfficeDev/office-js #4350)。
使えるはずのものが、実質死んでいる。
だから自前でOOXMLを読んだ
変換すれば崩れる。スクリーンショットに逃げれば嘘になる。
PPTXの本体はOOXML(XML形式の仕様)だ。それを直接解析し、ブラウザ上でレンダリングし、編集し、PPTXとして焼き戻す。PPTXを「見るだけ」のために、PPTXを作る以上の技術コストを使った。
滑稽だと思う。でもそれが唯一の正解だった。
正直に言う
自分でやれば100倍早い。
12年間、デザインもコードもインフラも全部一人でやってきた。PPTXなど、その中のほんの一部だ。自分でやればいい話なら、このシステムは存在しなくていい。
でも、そうすると「その人がいなければ動かない組織」が永遠に量産され続ける。
このシステムは、できない人間のために存在する。
それでもこの問いは消えない
PPTXを作れない人間が、このシステムをちゃんと使えるのか。
道具は人を賢くするのか、依存させるだけなのか。答えは持っていない。でも、その問いを飲み込みながら実装を続けている。
それでもやる
ネイティブシェイプで構成を整える。その平準化の価値は本物だ。
センスも経験もなくても、構造が美しいスライドを出せる。誰かの時間を、誰かの自信を、それは確実に変える。
虚しさを抱えながら、今日もバグを直している。
これが「仕組みを発明する」ということの、正直な姿だ。